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経営助言実例3

もう、税務調査はイヤだ!

K社長(41歳)がT会計事務所からA会計事務所に替えたきっかけは税務調査だった。
 K社長の会社は建材販売店だが、この建設不況の中でも、堅実な利益を出していた。3年前の税務調査で、記帳の不備を指摘されたため、新たに事務員を採用し、これまで帳簿付けをしていたお母さん(63歳)からバトンタッチを図った。K社長としては、亡き父とともに40年も苦労してきた母親への労いの気持ちもあった。

 しかし、今回の調査では、そのお母さんへの退職金(3,000万円)が問題となってしまった。K社長としては、長年の慰労の気持ちがあったのだが、税務署いわく「根拠がない」という。それもそのはずで、お母さんは、役員としての在任年数はわずか8年で給料も15万/月しか支給されていなかった。

 T社長からすれば、「母は会社のために自分を犠牲にして頑張ってきたのだから、その分を退職金として支給してやりたい」という気持ちがあることは当然だった。
 「でも、退職金の支給は会計事務所が決算を組む時に気がついても良さそうなものではないか?」 K社長がもんもんとしていたところに、友人社長が依頼しているA会計事務所の『巡回監査』という提供業務に愕然とする。

 K社長の会社は、年に数回、帳面ができるたびにT会計に資料を持っていってみてもらっていた。特段厳しくもなく、指摘事項もなかった。

 しかし、A会計事務所は、毎月1回以上必ず来るという。前月の帳面が翌月の中頃までにできてないと叱り飛ばされるというのだ。K社長は「わぁ、なんか大変そう」最初そう感じたが、友人から話を聞くと、その「巡回監査」業務の内容に驚愕することになる。

 友人社長いわく、「税務署が来ることを気にしていたら、きちんとした経営なんかできんがな。それより、毎月、厳しく帳面を見てもらって、至らない点を指摘してもらうほうがええんちゃうかなぁ」「うちのA会計は、厳しいでぇ。金庫の中まで見せてくれって言うし、現金残と帳簿が合わないときちんと調べさせられるしねぇ」

 続けて、「うちも親父の退職金を支給したけど、A会計から、まず『役員退職慰労金規定』の作成と、税法上認められる金額について、それから、きちんと取締役会の決議などがいることについてアドバイスを受けたんや」「それだけやないでぇ。実は10数年前に、親父に対して、退職金の準備をするならと、いくつもの保険会社の中から一番良さそうなものを探し出してくれてたらしく、そやから、支給の段になっても何も心配せんかったでぇ」

 K社長は、会計事務所を替わる決断をすることになる。